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2026/04/30【プロが解説】NBR(ニトリルゴム)とは?特徴・メリット・デメリットと他素材との違いを徹底比較

NBR(ニトリルゴム)とは?基本知識と化学的特徴

ニトリルゴム(NBR)は、石油や燃料に強い「耐油性」が最大の特長の合成ゴムです。

本来ゴムが苦手とする油に触れても、弾力や柔軟性を失わないため、自動車や航空機、工業製品などの過酷な現場で欠かせない素材となっています。

その性能は化学構造によって決まり、配合のバランスで特性が変わるのも大きな特徴です。

この記事では、NBRについて分かりやすく解説していきます。

合成ゴムの代表格「NBR」の正式名称と成り立ち

NBR(ニトリルゴム)は、「アクリロニトリル」と「ブタジエン」という2つの原料から成る合成ゴムです。

最大の特徴は、原料のアクリロニトリルがバリアのような役割を果たし、ガソリンなどの油を跳ね返すことです。
もう一つの原料であるブタジエンは、ゴム特有のしなやかな弾力を生み出します。

現在は、低い温度でじっくり作る製造方法が主流で、これにより品質が安定し、加工しやすいゴムになります。
化学的な工夫によって「油に強く、かつしなやか」という独自の強みが守られているのです。

性能の決め手!「アクリロニトリル量」によるグレードの違い

NBRを選ぶ際に最も大切な指標が「結合アクリロニトリル量(AN量)」です。
これは原料であるアクリロニトリルがどれくらい含まれているかを示す数値で、この比率を変えることでゴムの性質を大きく変化させることができます。

一般的にAN量は15%から50%の範囲で調整され、含有量ごとにグレードが分けられています。
この数値を調整することで、用途に合わせた最適な「カスタマイズ」ができるのがNBRの大きな強みです。

グレード名称 AN含有量(%) 主な特性と傾向
極高ニトリル 43%以上 最高の耐油性と耐透ガス性を誇ります。一方で非常に硬くなり、耐寒性は極めて低くなります。
高ニトリル 36~42% 一般的な耐油ホースやガスケットに使用される標準的なグレードです。
中高ニトリル 31~35% 耐油性と耐寒性のバランスが最も良く、最も汎用性が高いです。
中ニトリル 25~30% 耐寒性を重視しつつ、ある程度の耐油性を維持したい場合に選ばれます。
低ニトリル 24%以下 非常に優れた耐寒性を持ちますが、耐油性は他のグレードに比べ劣ります。

AN量が増えると油に強くなる一方で、寒さには弱くなるという性質があります。

具体的には、AN量を増やすと、油や摩耗に対する強さ、ガスの通しにくさが向上します。
そのため、強力な油への耐性や高圧ガスの密封が必要な場所では、AN量が多いグレードが選ばれます。

しかし、その反面、ゴムが硬くなりやすく、寒い場所では柔軟性を失ってボロボロになりやすい(脆くなる)という弱点もあります。
そのため、使う場所が「どれくらい油に触れるか」と「何度まで下がるか」のバランスを考えて選ぶことが非常に重要です。

密閉性に優れた「ソリッドゴム」とクッション性の「スポンジ状」

NBRは、その成形形態によって大きく「ソリッドゴム(固形ゴム)」と「ゴムスポンジ(発泡体)」の二つのタイプに分類されます。
それぞれが持つ物理的特性は大きく異なり、用途に応じて厳密に選択されます。ソリッドゴムは気泡を含まない高密度なゴムであり、高い硬度と機械的強度を誇ります。高い圧力がかかる箇所のパッキンや、摩耗が激しい環境での部品に適しています。
一方、ゴムスポンジは製造過程で化学発泡剤を加え、内部に無数の気泡(セル)を形成させたものです 。
スポンジ状にすることで、素材としての軽量化が図れるだけでなく、非常に小さな荷重で形を変えることができる「柔軟性」と「圧縮復元性」を獲得します。スポンジの気泡構造には、以下の表に示すような三つのバリエーションが存在します。
構造タイプ 特徴 主なメリット 適した用途
独立気泡 気泡が独立した壁で仕切られています 防水性が高く、浮力があります。断熱性に優れます。 止水パッキン、断熱材、衝撃吸収材
連続気泡 気泡が互いにつながっています 非常に柔らかく、通気性・吸音性・吸水性があります。 フィルター、吸音材、洗車用スポンジ
半連続気泡 独立と連続が混在しています 適度なシール性と柔軟性を両立しています。 防音材、シーリング材、緩衝材

NBRスポンジは油がかかる過酷な現場でも、形やクッション機能をしっかり保つことができます。そのため、油を扱う場所で使う緩衝材としては、他に代わりのない非常に頼れる存在となっています。

NBRが選ばれる5つのメリット

NBRが多くの工業現場で選ばれるのには、きちんとした理由があります。
それは、この素材の持つ特徴が、機械設計に求められる条件と非常に相性が良いからです。

現場で圧倒的な支持を得ている5つのメリットを深掘りして解説していきます。

最大の武器:ガソリンや潤滑油に強い圧倒的な「耐油性」

NBRの最大の価値は、何といっても驚異的な「耐油性」にあります。

一般的にゴムは、油に触れると油が中に染み込み、ふやけてボロボロになる「膨潤」という現象が起きやすい素材です。

しかし、NBRは分子の中に油を寄せ付けない特別なバリア(ニトリル基)を持っているため、ガソリンやエンジンオイルなどの油に対して非常に強い抵抗力を発揮します。

この耐油性の凄さは、単に「溶けない」だけではありません。油に浸かりっぱなしの状態でも、形や大きさがほとんど変わらず、ゴム特有の弾力や強さを保ち続けることができるのです。

そのため、常に油にさらされる自動車のエンジン部品や燃料ホースなど、絶対に漏れが許されない場所で「代わりのきかない素材」として絶大な信頼を得ています。まさに、機械の安全性と寿命を影で支える、油の現場の守護神といえる存在です。

機械部品に最適!摩耗しにくく破れにくい「機械的強度」

NBRは、物理的な「タフさ」においても非常に優れたゴムです。
引っ張る力、引き裂く力、そして擦れに対する強さ(耐摩耗性)が、高いレベルでバランスよく備わっています。

特に「摩耗への強さ」はゴムの中でもトップクラスで、常に金属と擦れ合うベルトなどの部品に最適です。
また、補強材であるカーボンブラックとの相性が良く、配合を工夫することで非常に高い強度を持たせることができます。

この強靭さがあるからこそ、強い圧力がかかるパッキンや、力いっぱい締め付けるガスケットなど、過酷な状況でも壊れることなくその役割を果たすことができるのです。

ガスを通しにくい「ガス透過防止性」と気密性能

NBRの隠れた長所は、空気やガスを通しにくい「ガス透過防止性」です。
これは、分子同士がギュッと強く結びついているため、小さな気体の粒が通り抜ける隙間がほとんどないからです。

この特性は、エアコンの冷媒を閉じ込めるホースや、ガス管のつなぎ目、真空装置のシール材などで非常に重要です。ガス漏れを防ぐだけでなく、外から水分や酸素が入り込んで内部のオイルなどを劣化させるのも防いでくれます。

特に原料のアクリロニトリル量(AN量)が多いほど、このガードする力はさらに強くなります。

「中身を漏らさず、外からも入れない」という高い密閉力が、NBRの信頼を支えています。

100℃〜120℃まで耐える「耐熱性」のバランス

NBRの耐熱性は、実用面で非常にバランスが取れています。標準的なもので100℃、工夫した配合なら120℃までの熱に耐えることができ、これは自動車のエンジンオイルや産業機械の油が回る環境において、十分に対応できる性能です。

シリコーンゴムなどの超高温用素材に比べれば限界温度は低いものの、多くの現場ではNBRの耐熱性で事足ります。また、もし限界を超えても急に溶け出すのではなく、徐々に硬くなっていく性質(熱硬化)があるため、予期せぬトラブルが起きにくいという設計上の安心感もあります。

「油に強く、熱にもそこそこ強い」という、コストパフォーマンスに優れた実力派素材といえます。

コストパフォーマンス:高性能ながら導入しやすい価格帯

どんなに優れた素材でも、コストが高すぎれば広くは普及しません。NBRの大きな強みは、高い耐油性と強度を持ちながら、合成ゴムの中では比較的安く、安定して手に入ることです。

高価な特殊ゴム(フッ素ゴムなど)1点分の予算で、NBRなら数十倍、数百倍の部品を作れることも珍しくありません。

「安くて高性能」という圧倒的なコストパフォーマンスこそが、世界中のメーカーがNBRを標準素材として使い続ける最大の理由です。

知っておきたいNBRのデメリット

NBRは多くの優れた特性を持つ一方で、いくつかの明確な弱点も存在します。これらのデメリットを理解せずに使用すると、予期せぬ早期劣化や製品トラブルを招く恐れがあります。

ここでは、NBRを使用する際に避けるべき環境や注意点について解説します。

日光や酸素に弱い「耐候性・耐オゾン性」

NBRの最大の弱点は、日光(紫外線)や大気中のオゾンに弱く、屋外環境での劣化が早いことです。

その理由は、NBRの分子構造の中にオゾンと反応しやすい「炭素の二重結合」があるためです。
この結合がオゾンによって切断されると、ゴムの表面に網目状の細かいひび割れ(オゾンクラック)が発生します。対策をせずに数ヶ月屋外に放置すると、ホースなどがボロボロになってしまうことも珍しくありません。

そのため、屋外で使用する場合は、表面を耐候性の高いゴムで覆った二層構造にしたり、別の種類のゴム(EPDMなど)を混ぜ合わせたりする工夫が必要です。

用途に合わせて弱点を補うことが、製品を長持ちさせるための重要なポイントです。

マイナス環境での「耐寒性」の限界

耐油性を高めるためにAN量を増やすほど、寒さには弱くなるという性質があります。

AN量が多いグレードは、気温が-10℃〜-20℃程度まで下がると、ゴムとしての弾力を失いカチカチに硬くなる「ガラス転移」を起こしてしまいます。

硬くなったゴムは、振動を吸収できなくなるだけでなく、隙間を埋める力もなくなります。そのため、冬場の冷え込み時にオイル漏れを引き起こす原因となってしまいます。

寒冷地や冷凍倉庫などで使う場合は、あえて耐油性を抑えた「低ニトリル」グレードを選ぶか、より寒さに強い別のゴムを検討する必要があります。使う場所の「一番低い温度」を考えることが大切です。

極性溶剤(アセトンやシンナー)に対する脆弱性

「油に強い」NBRですが、実は苦手な液体も存在します。それが、アセトンやシンナーなどの「極性溶剤」と呼ばれる薬品です。

これらの薬品は、NBRの分子構造と引き合ってしまう性質があるため、ゴムの中にどんどん染み込んでいきます。

その結果、ゴムが激しくふやけたり、溶けたりする「膨潤」という現象を引き起こします。
例えば、塗装現場で使うシンナーにNBR製の手袋を浸すと、あっという間に膨らんで使い物にならなくなってしまいます。

薬品を扱う現場では、その物質が「油(非極性)」なのか「薬品(極性)」なのかを見極めることが重要です。

NBRが万能ではないことを理解し、用途に合わせて正しく選ぶ必要があります。

【業界別】NBRの主な用途と具体的な活用事例

NBRはその優れた多機能さから、あらゆる産業分野で「なくてはならない」素材として定着しています。

ここからは、具体的な業界別の活用事例を挙げながら、NBRがどのように私たちの社会を支えているのかを詳しく紹介していきます。

私たちの身近なものから、目に見えない機械の内部まで、その活躍の幅広さを分かりやすく解説します。

【自動車・バイク】燃料ホース、Oリング、オイルシール

自動車産業は、NBRにとって最大の活躍の場です。

一台の自動車には数百ものゴム部品が使われていますが、その多くにNBRが採用されています 。

  • 燃料系システム
    ガソリンや軽油に直接触れる燃料ホースの内層材や、燃料タンクのパッキンには、高い耐油性とガス透過防止性を持つNBRが必須です。
  • 駆動・潤滑系
    エンジンオイルやトランスミッションオイルを封じ込めるオイルシール、ギヤボックスのOリングなどは、NBRの耐摩耗性と耐油性が最も活かされる分野です。
  • 吸気系
    エアクリーナーの接続ホースやダクト類にも、オイルミストに耐える素材としてNBRが選ばれます。

最近では、より高温になるエンジンルームに対応するため、NBRに水素を添加して耐候性を向上させた「水素化ニトリルゴム(H-NBR)」の採用も増えていますが、標準的な部位ではコストの安さから依然としてNBRが主流です。

【工業・製造業】コンベアベルト、ガスケット、防振スポンジ

工場の生産ラインや建設機械の内部でも、NBRは過酷な条件に耐える部品として重宝されています。

  • コンベアベルト
    揚げ物などの食品加工や、機械油が付着した金属パーツを運ぶベルトには、油で伸びにくいNBRが使われます 。
  • 油圧機器
    ショベルカーやクレーン車などの油圧シリンダーには、高圧の作動油を漏らさないためのNBR製シールが多用されています 。
  • 防振・緩衝材
    機械の振動を抑えるための足ゴムやスポンジシートにおいても、周辺の油汚れで劣化しないようにNBRスポンジが選ばれることが多いです。

【医療・調理】耐油性を活かした「ニトリル手袋」

一般消費者にとって、最も身近なNBR製品といえば「ニトリル手袋」でしょう。

医療現場、歯科医院、研究室、そして食品加工の現場で青色や白色の手袋を見かけない日はありません。

  • アレルギー対策
    天然ゴム(ラテックス)手袋で問題となるタンパク質アレルギーを回避できるため、安全な代替品として普及しました。
  • 耐薬品・耐油性能
    皮脂や調理用油、アルコール消毒液に強く、かつ突き刺し強度にも優れているため、鋭利な器具を扱う際も安心感があります
  • 精密作業
    手にぴったりとフィットし、指先の感覚を損なわないため、電子部品の組み立てなど精密な作業にも適しています。

【スポーツ・日用品】グリップ力に優れたヨガマットや工具の持ち手

NBRは、そのソフトな感触と滑りにくい特性から、私たちの生活圏内の多くの製品に採用されています。

  • ヨガマット・フィットネスマット
    NBRスポンジ(特に10mm~15mmの厚手タイプ)は、ヨガマットとして非常に人気があります 。優れた弾力性により、膝や肘を床についた際の痛みを軽減し、関節を保護します 。また、汗を吸い込まず簡単に拭き取れる撥水性も大きな利点です 。
  • グリップ材
    工具のハンドル、スポーツ器具の持ち手、腹筋ローラーのグリップ部分など、手の油でベタつかず、かつ強力なグリップ力が必要な場所に使用されます。
  • 履物
    油を使用する厨房用の作業靴(コックシューズ)のソールには、耐滑性と耐油性を兼ね備えたNBR混合ゴムが使われます。
  • 【比較表】NBRと他の素材(EPDM・シリコン・天然ゴム)の違い

    素材選びで迷った際、比較対象となる代表的な4つのゴム素材の特性を以下の表にまとめました。

    それぞれの「得意分野」と「苦手分野」を理解することが、最適な選定への近道です。

    特性項目 NBR(ニトリルゴム) EPDM(エチレンプロピレンゴム) シリコーンゴム NR(天然ゴム)
    主な得意分野 耐油性、機械的強度 耐候性、耐オゾン性 耐熱性、耐寒性、衛生 弾性、引裂き強度
    耐油性 ◎ (極めて高い) × (油で膨潤・溶解) △ (油種による) × (油で膨潤・溶解)
    耐候性 × (屋外は不向き) ◎ (日光・雨に最強) ◎ (日光・雨に最強) × (屋外は不向き)
    耐熱温度 ~100℃/120℃ ~150℃ ~250℃ ~80℃
    耐寒温度 ~ -30℃ ~ -40℃ ~ -60℃以下 ~ -50℃
    機械的強度 ◎ (摩耗に強い) ○ (標準的) △ (裂けやすい) ◎ (最強の弾性)
    価格帯 ◎ (非常に安価) ○ (安価~標準) × (高価) ○ (相場による)

    屋外の「EPDM」 vs 油の「NBR」:どちらを選ぶべきか

    設計現場で最も頻繁に議論されるのが「NBRかEPDMか」という問題です。この二つの使い分けは、実は非常にシンプルです。

      • 油に触れる可能性が少しでもあるなら「NBR」: 機械内部、油圧配管、油が付着した工具の収納場所などです。

     

    • 屋外や日光の当たる場所なら「EPDM」: 窓枠のシール、屋根の防水シート、屋外設置の設備用パッキンなどです。

    この選択を誤ると、NBRは数ヶ月でひび割れ、EPDMは油を吸ってドロドロに溶けるという最悪の結果を招くことになります。

    耐熱・衛生の「シリコン」と「NBR」の使い分け基準

    シリコーンゴムとNBRは、どちらも「高性能なゴム」として知られていますが、そのキャラクターは対照的です。

    シリコーンゴムは、250℃の高温から-60℃の極低温まで耐えられる「温度変化に強い」素材です。人体に無害で無味無臭なため、食品や医療の現場では欠かせません。

    一方、NBRはシリコーンに比べて「摩耗への強さ」と「安さ」で圧倒的に勝っています。100℃以下の油を使う環境であれば、高価で裂けやすいシリコーンよりも、タフで経済的なNBRの方が適任です。

    「清潔さと温度ならシリコーン、タフさとコスパならNBR」というように、得意分野によって使い分けられています。

    強度と価格で比較する「天然ゴム(NR)」との差

    天然ゴム(NR)は、ゴムの木から作られる「しなやかさ」と「元に戻る力」が抜群に強い素材です。

    大型トラックのタイヤや建物の免震ゴムなど、ものすごい重さや衝撃がかかる場所では天然ゴムが最強の性能を発揮します。

    しかし、天然ゴムは油に非常に弱く、また農産物なので価格が安定しないという弱点もあります。

    一方で、NBRは石油から作られるため供給が安定しており、油にも強いため、一般的な工業部品の世界ではNBRの方が圧倒的に多く使われています。

    用途に合わせたNBRの選び方

    NBRのスポンジやパッキンをネットなどで選ぶ際は、使う目的に合わせて正しい「仕様」を見極めることが失敗しないコツです。

    プロが製品を選ぶときに注目するのは、素材の「硬さ」「厚み」、そして「どの程度の温度や油にさらされるか」という点です。これらを無視して選ぶと、すぐにボロボロになったり油が漏れたりする原因になります。

    用途にぴったりのスペックを選ぶためのプロの視点を、これから分かりやすく解説していきます。

    密閉性を高める「硬度」と「厚み」のカスタマイズ術

    NBRの製品選びで最も重要なのが「硬度」です。硬度は、その素材がどれくらい「潰れやすいか」を示す指標であり、これが適切でないとシール漏れや早期破損の原因となります。

    ゴムやスポンジの硬度を測る規格にはいくつか種類があり、注意が必要です。

      • ショアA(JIS A)
        ソリッドゴムなどの硬いゴムに用いられます。数値が大きいほど硬いです(例:消しゴムは30度、タイヤは60~70度程度)。

     

    • アスカーC
      NBRスポンジなどの柔らかい素材に用いられます。ショアAでは測定できないほど柔らかい素材の反発力を正確に測るための規格です 。

     

    硬度の目安(アスカーC) 触感のイメージ 理想的な用途
    20~30度 マシュマロのような柔らかさ 軽い力で隙間を埋めたいドアや蓋のシール
    35~50度 食パンの耳程度の弾力 一般的な緩衝材、パッキン、ヨガマット
    60~80度 硬い消しゴムのような感触 重い機械の足ゴム、防振材、滑り止め

    また、厚みの選定についても、隙間の深さに対して「つぶししろ(圧縮代)」を考慮する必要があります。

    一般に、スポンジパッキンの場合は、元の厚みの20%~30%程度を圧縮して設置すると、最も高い止水・防塵効果が得られます。

    加工性を高める「粘着テープ付きNBRスポンジ」の利便性

    NBRスポンジをパッキンとして使う場合、現場では「粘着テープ付き」の製品がとても重宝されます。

    これは、スポンジの裏面にあらかじめ強力な両面テープが貼り付けられたタイプのことです。

    これがあるだけで、作業のしやすさが劇的に変わります。

      • 施工スピードの向上
        剥離紙を剥がして貼るだけで固定が完了するため、大量の部品を扱う工場ラインや、狭い場所でのメンテナンス作業において効率が大幅にアップします。

     

      • 接着剤のトラブル回避
        現場でゴム用接着剤を塗ると、乾燥待ち時間が発生したり、塗りムラによる剥がれが生じたりします。テープ付き製品は工場で均一に圧着されているため、品質が安定しています。

     

    • 複雑な形状への対応
      長尺のテープ状に加工されたNBRスポンジなら、円形や多角形の筐体の縁に沿わせて、誰でも綺麗に貼り付けることができます。

    NBRスポンジを選ぶ際は、貼り付ける相手(金属、プラスチック、塗装面など)が何かを確認することが非常に重要です。相手の素材に合った粘着剤を選ばないと、せっかく貼ってもすぐに剥がれてしまうからです。

    また、油が激しくかかる場所で使用する場合は、スポンジ本体だけでなく「粘着剤そのもの」も油に強いタイプを選ぶのがプロの視点です。

    「何に貼るのか」と「油の影響はどの程度か」を事前にチェックすることで、過酷な環境でも剥がれず、長持ちする最適な製品を選ぶことができます。

    まとめ:油回りや機械部品のシール材にはNBRがベスト!

    誕生から約90年が経つNBR(ニトリルゴム)は、今もなお「合成ゴムの王様」として君臨しています。

    「油への強さ」「丈夫さ」「安さ」の三拍子が揃っており、現代の機械設計には欠かせない存在です。

    屋外での使用や極端な寒さ、特殊な薬品には注意が必要ですが、それ以外の「油が関わるあらゆる場面」において、NBRほど信頼できるパートナーはありません。車の燃料ホースから調理用手袋まで、私たちの生活の安全はこの黒いゴムに支えられています。

    ネットショップなどで製品を選ぶ際は、その優れた耐油性を活かしつつ、使う場所に合わせて「硬さ」や「スポンジの構造」、そして便利な「粘着テープの有無」などを総合的に判断してください。用途にぴったりのNBRを選ぶことは、製品を長持ちさせ、無駄な修理コストを減らすための最も確実な投資になります。

    富士ゴム産業株式会社では、EPDMゴムスポンジを販売しています。
    ぜひチェックしてみてください。
    https://www.fujigomu.co.jp/simulation/material/sponge/nr.php

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